経営方針
当社は、新生Oakキャピタルとして新たに経営方針を策定いたしました。
新経営方針では、当社グループの目指すべき姿を明確にし、金融事業に留まらない将来の当社グループの成長に資する新たな事業の確立を通じ、強固な経営基盤の構築と新たな価値の創造を目指してまいります。
1.当社グループが目指すべき姿
(1)コーポレートスローガン
「価値共創企業」
〜つなぐ。一緒に創る。~
※価値を共に創るために、我々が行うことが、「つなぐ」ことです。
繋ぐことで、より高い価値を一緒に創っていきます。
(2)コーポレートビジョン
①企業の成長支援を通じて社会貢献する
②グループ全体の成長・安定収益計上により株主の期待に応える
③持株会社としてグループ事業会社の成長を支援する
④一般投資家を含む投資家に広く投資機会を提供する
2.基本方針
グループ全体の価値を事業会社と共に創り上げるのが、新生Oakキャピタルの姿です。
この価値を共に創り上げることを価値共創と呼び、Oakキャピタル本体は、ホールディングスとして、グループ事業会社の経営支援を行い、連結決算における収益拡大を図り「価値共創企業」として、グループ企業全体の価値向上を目指してまいります。
3.新生Oakキャピタルの経営目標
連結売上高 | 連結純利益 | 時価総額 |
---|---|---|
250億円 | 20億円 | 600億円 |
※過去最高実績を上回るための目標値です。
4.新経営方針に基づく事業戦略
(1)経営基盤の強化
2021年6月に経営戦略室を新設し、グループ内の現状分析及び経営課題の抽出に着手し、グループ経営戦略の立案を行なってまいりました。
今後、Oakキャピタル本体は、ホールディングスとして、グループの土台を支えるべくグループ経営戦略を担います。また、投資銀行業務に加え、グループ企業から安定的に収益を得られる事業構造に変革してまいります。
Oakキャピタル本体が扇の要となり、グループ事業会社の成長を促し、企業価値及び株主価値を高めてまいります。
(2)事業戦略の骨子
Oakグループでホールディングする
三つの事業分類

狩猟型ビジネス
狩猟型ビジネスの投資スタイルとは「フロー型インベストメント」で、当社がかねてより行なってきた投資銀行業務がそれに当たります。
ハイリターンのキャピタルゲインを狙う「高収益事業」は、引き続き一つの事業の柱として成長いたします。
農耕型ビジネス
農耕型ビジネスの投資スタイルは「ストック型インベストメント」で、ファンド運営の収入などアセットマネジメント業務がそれに当たります。
安定的なインカムゲインを得られる「安定収益事業」は、アドバイザリー業務によるフィービジネスも含まれ、そのような領域も積極的に行なってまいります。
開発型ビジネス
開発型ビジネスの投資スタイルは、「ビルド型インベストメント」で、M&Aなどにより連結子会社および関連会社として当社とともに成長する「成長収益事業」です。
当社自体が、中長期的な観点で当該事業会社の株式を保有し、価値を共に創り出していくことで、その事業の成長支援をOakキャピタル本体が行うビジネスマネジメント業務です。対象が未上場企業の場合には、IPO支援もビジネスマネジメント業務の一つです。
(3)重点施策
①中核子会社等の事業戦略
スターリング証券
これまでの当社の主力事業であった投資銀行業務を行う「スターリング証券」は、投資家と投資先企業を細やかに繋ぐ「ブティック型証券会社」です。
同社では、「高収益事業」である「スモールキャップに特化したエクイティファイナンスの実施」に加え、一種、二種ライセンス保有会社として、「安定収益事業」である「ファンド組成によるアセットマネジメント業務」も開始いたします。
ファンド組成に関しては、ブティック型証券会社ならではの独自な切り口で、今まで一般投資家に馴染みがなかった大型投資案件を独特なファンドとして提供してまいります。
具体的には、数十億円規模の外国籍船舶のオペレーティングリースのファンド、米国カリフォルニア州政府の排出権取引ファンド、先進国地域の不動産開発ファンド、新興国地域での不動産開発ファンド、グローバルなヘルスケアベンチャー企業へのIPO投資ファンドなどを想定しています。
それらのファンドを同社が組成していくことで順次一般投資家への案内を進められるように、すでに準備検討を進めております。
ノースエナジー
ノースエナジーで行なっている「クリーンエネルギー事業」は、社会的にSDGsの関心の高まりを受けてニーズの高まってきている太陽光発電を、同社が長年培ってきた太陽光発電設備の知見を生かし、新電力会社に対しての太陽光発電設備の建設及び販売を推進してまいります。
また、太陽光発電設備の販売に加えて、自社設備で発電したクリーンな電力を販売する事業にも参入してまいります。
②新たな事業ポートフォリオの構築
当社はホールディングスの機能を強化し、「ビジネスマネジメント業務」として行う「開発型ビジネス」として、現在行っているノースエナジーのクリーンエネルギー事業に加え、多彩な事業ポートフォリオで安定した収益を連結して寄与できる体制を構築してまいります。
安定した収益を確保するための事業ポートフォリオへの構築にあたっては、同時に、現在行っている事業についても必要に応じたポートフォリオの整理を進め、開発型ビジネスの見直しも進めます。
対象とする企業は、上場、非上場を問わず、「価値共創企業」として、価値を共に創り上る事業や会社を対象とし、IT領域である「フィンテック企業」や「デジタルマーケティング企業」、ライフスタイル領域である「美容・健康事業」などを、現在M&Aの対象として検討を進めております。また、社会的に関心が高まっているSDGsをテーマとした領域も注視してまいります。
そして、このような「開発型ビジネス」の各事業会社をマネジメントしていく結果、現在のノースエナジーのように、連結子会社として連結決算に寄与しつつ、将来的には、投資育成業務の大きな成果として、連結子会社がIPOに至った際にキャピタルゲインを享受することも大きな狙いです。
(4)資金調達(株主割当増資)
2021年10月21日の当社取締役会にて、2021年11月16日現在の全ての株主の皆様に対して、新株予約権を無償にて付与する株主割当増資を決議いたしました。
株主割当による新株予約権の無償発行 | |
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基準日 | 2021年11月16日 |
割当日 | 2021年12月1日 |
割当先株主 | 2021年11月16日現在の全ての株主 |
割当数 | 保有されている株式と同数の株式の購入権利 |
行使(購入)価格 | 2021年11月15日の終値から10%ディスカウントした価格 |
行使(購入)期間 | 2021年12月16日から2022年3月16日までの3ヶ月間 |
今回の増資の目的は、先に記載した「Oakグループでホールディングする三つの事業分類への成長資金」の獲得であり、安定した収益を生む企業へと当社を変革させるための投資資金の注入です。
(5)ステークホルダーとのコミュニケーション
当社は、企業価値を高める過程において、あらゆるステークホルダーとの対話が重要な経営課題だと認識しております。これまで当社IRでは、コーポレートサイトや個別企業説明会の開催、IRイベント出展などを通じ、ステークホルダーとの対話を積極的に実施してまいりました。
今後は、情報発信中心のワンウェイ型のIRから、インタラクティブ型のIRへと転換を図り、より当社グループへの理解を深めていただくための施策を実施してまいります。
その第一弾として、この度新たに開設する動画情報メディア「Koh-EN TV」(コーエンティービー)では、株主をはじめ、全てのステークホルダーの皆様に、業績など当社の定量的な現状報告のみならず、定性的な事業進捗や今後の計画、そして、代表取締役社長 稲葉のメッセージなどを直接皆様にお伝えしてまいります。
以上、新生Oakキャピタルの体制と戦略が決定いたしましたので、「価値共創企業」へと本格的に舵を切ってまいります。